【旅する宇宙】

(Photo:https://www.jpl.nasa.gov/missions/voyager-1/

 

地球から飛び出して、現在最も遠くにいるもの。

NASAが1977年に打ち上げた、探査機ボイジャー1号。

 

175年に1度、

木星、土星、天王星、海王星が1列に並ぶ年。

地球と太陽の重力を振り切るために、

木星、土星、天王星、海王星の重力の助けを利用して

秒速17kmで飛び立った。

 

2012年に太陽圏を脱出。

秒速17kmのスピードで、実に、35年。

2019年現在、

地球から200億km以上離れた宇宙空間を進んでいる。

 

 

想像してみる。

 

 

この地上から打ち上げられて、

ぐんぐん空に向かって、大気圏を越えて、

黒い宇宙空間に飛び出す。

 

最初は、太陽の光が明るく見えるだろう。

その太陽の明るさを背にして進んで、

進んでも進んでも、何もない空間がただただ続く。

 

1年半でようやく木星に接近。

3年で土星に接近。

 

そこからさらに遠くへ。

12年で冥王星の軌道を通過。

 

その頃には、

太陽は線香花火の火の玉くらい小さくて

 

暗い暗い、音もない、見渡す限り何もない空間を

ひたすら進んでいく。

 

35年、ついに太陽圏の末端に。

これまでずっと浴びていた太陽風が途絶える。

 

 

この先どこまで行けるだろう?

 

 

太陽系を覆うオールトの雲はまだ遥か彼方。

たどり着くのに300年はかかる。

 

太陽系のお隣ケンタウルス座アルファ星に行くには

3万年以上かかる。

 

 

巨大な暗闇。

静謐な虚空。

 

宇宙はどうしようもなく広大で

人間はあまりにも小さくて

 

だけど、人間の“英知”ボイジャーは

今日も200億kmより彼方を漂っている。

 

 

地球外知的生命体と出会ったときのために

ボイジャーには音楽や画像を入れたレコードが積まれている。

 

たとえば もうあと何十万年後、

“誰か”がボイジャーを見つけて

大昔の地球の文明に思いを馳せてくれるかもしれない。

 

 

人間は、あまりに小さいけれど

限りない浪漫を抱くことができる。