【この宇宙の片隅で】

宇宙はあまりに広すぎて、「今」が見えない。

 

夜空に輝く月。

太陽の光が月で反射してから

地球に届くのに1.28秒かかる。

 

つまり、私たちに「今」見えているのは

月の1.28秒前の姿。

 

太陽は8分19秒前の姿で

 

火星は4分前の姿(接近時)

土星は70分前の姿(接近時)

 

アンドロメダ銀河は約230万年前の姿で

かみのけ座銀河団は約3億年前の姿で

 

宇宙マイクロ波背景放射は約137億年前の姿。

 

宇宙は光の速さより速く膨張しているから

決して地球に届くことのない光もある。

永遠に見ることができないところ。

宇宙の事象の地平面。

 

 

ひるがえって

目の前の貴方は約3ナノ秒前の姿。

知覚できないタイムラグ。

「今」の姿。

 

見ることすら叶わないほど遠くまで

遠々広がっている宇宙の中で

同じ「今」を共有している、この近さ。

 

天文学的確率。

 

貴方が「今」目の前にいること。

いってきます、と出て行って

ただいま、とまた目の前に現れること。

 

この宇宙の片隅で、同じ「今」を生きていること。

 

“あたりまえ”なんてない。

震えるほどの貴重なひと時