【時間_4.ロヴェッリ】

ロヴェッリの研究する「ループ量子重力理論」では

世界を記述するのに、時間変数を使わないのだという。

 

時間のなかで物事がどう展開するか、ではなく

 

物事が互いに対してどう変化するか、を示す。

 

つまり、時間という“背景”を用いない。

 

 

私たちが観察できるもの、

長さとか 重さとか 色とか 力とか

を変数とし、

 

その変数が互いに対してどのように変化するか、

それさえわかればよいと。

 

その中に、

時間という特別な名前をつけた変数は必要なくて  

 

 

起こりうる出来事と、それらの関係だけを述べる。

 

 

 

 

「時間は存在しない」とは

 

時間は止まっているとか

全てが凍り付いて動かなくなるとか

 

この現実には“現在”しか存在しないとか

 

過去も現在も未来も永久に存在しているとか

 

ロヴェッリの主張はそういうことではないと思う。

 

 

 

私たちが今日強く認識している

背景としての時間というのは実は幻で

 

あるのは変化する出来事と、

その出来事と他の出来事の関係だけ。

 

「時間が経つ」のではなくて

「変化する」ことが本質であり

存在するのは、出来事と関係だけ。

 

 

時間のない世界

それが本来の宇宙の姿なのではないか。

 

 

そして時間は、

宇宙の深遠の中にあるのではなく、

私たち人間のなかにある。

 

 

それはひとえに

エントロピーという概念をもつからであり

エントロピーを認識するのは

人間の視界が曖昧でぼやけているからで

 

 

私たちは、

この世界の近似の近似の近似のなかで生きている

 

ゆえに私たちのなかに時間が生じる。