【「なぜ」と「どのように」】

元素周期表。
化学のバイブル。
 
この表を見るたび人類の英知に感嘆する。
 
「なぜ」と「どのように」が詰まっている。
 
周期表完成までの科学者の道のりに思いを馳せ、
自分の仕事の仕方を振り返る機会とする。
 
 
元素周期表は
1869年にメンデレーエフが提案したもので
今日の表にいたるまで幾度も改良され、
無数の科学者の知が集結している。
 
 
メンデレーエフがこの表を作ったのは
異なる元素に似た性質があることを見つけて
どのように並べると、
その性質ごとに元素をグルーピングできるか
という着想による。
 
元素の周期律、
すなわち元素の性質が周期的に変化する法則を
見事に表している。
 
 
どのように
その元素は振る舞うのか?がよくわかる。
 
 
なぜ
元素はこのような周期律に従うのか?
それが明らかになるのは20世紀に入ってから。
 
 
元素は究極の構成単位ではなく
原子構造が明らかになり
電子の性質が明らかになり
 
最もエネルギーの高い軌道にある電子の個数が
元素の性質を司るキーであると。
 
この理由が明らかになったことにより
メンデレーエフの頭を悩ませた
“遷移元素”の納まる位置も決まって
 
ランタノイド、アクチノイドの位置づけも
定まった。
 
 
元素周期表における位置を見ると
その元素がどのように振る舞うかがわかり
 
凸型になっている表の形、
欄外に示されるランタノイド、アクチノイドが
なぜそうなるのか、すなわち
電子軌道の理論を反映している。
 
なんとも鳥肌モノの人類の英知。
 
 
「なぜ」と「どのように」
理論と法則は
ものごとの両輪であって、どちらも大切なこと。
 
 
ただ、
「どのように」だけでは片手落ちで
「なぜ」がわかっていないと
新しいことや例外が現れたときに太刀打ちできない。
 
 
社会には「ノウハウ」がたくさんあって
ノウハウをコピーすれば
ある程度の成果は出るかもしれない。
 
 
だけど、
なぜそれをやるのか?
目的が定まっていなければきっと限界がくる。
 
 
思いもよらない出来事に遭遇したとき
「なぜ?なんのために?」が明確でないと
判断も対応もできず立ち往生。
 
 
目的が明確であれば、
判断ができるし
方法はいくらでも応用が利く。
 
 
より世界を理解したくて「なぜ?」を問いかける。
それは自分の存在意義を問うのに似ている。
 
 
なんのためにやるのか?
私はどこに行きたいのか?
ここが定まると、よく動けるようになる。
 
 
メンデレーエフは、
周期表の完成図を予想していた。
 
原子の構造も
電子軌道のこともわからなかった時代に
周期表の空白を埋める未発見の元素が
存在するはずだと。
 
この予想によって
元素の理解が早まったのは言うまでもない。
 
 
最初にビジョンを描くこと。
周期表の成り立ちは、そんなことも教えてくれる。