
ネガティブな感情。
「私ってだめだな」とか「私はできない」とか
浮かんでくることは
人間なら誰でもあるのではないかと思う。
そして
がんばる人ほど
「後ろ向きなことを思っちゃだめ」とか
「ポジティブ変換しよう」とか
がんばるのだけど
湧いてくる感情は止めようがないから
無理に押さえつけるのは結構つらかったりする。
ではどうするか?
それは宇宙が教えてくれることで
物質には反物質がある。
たとえば、電子と陽電子。陽子と反陽子。
物質と反物質のペアは光から生まれ
物質と反物質が出会うと、消滅して光となる。
物質=ポジティブ、反物質=ネガティブとして
ちょっと考えてみる。
反物質を消したいと思ったら
無理矢理見えないところに閉じ込めても
反物質は消えてなくなるわけではないから、
それとペアになる物質を当てればいいのだけど
そのためには、
まずその反物質がどんなやつなのか?
質量は?電荷は?スピンは?
とことん反物質について理解してから、
それとペアを成す物質を準備する。
見えないところに閉じ込めるのではなく、
特性を理解する。
それで、ペアとなる物質をあてれば
反物質と物質は光となって消える。
めでたしめでたし・・・と思いきや
あれ?物質もなくなってしまったね、と。
これでは何もない、物質もない世界となってしまう。
物質に満ちたこの世界はどうやってできたのか。
そこがこの宇宙のすごいところで、
物質と反物質がペアになって消滅する過程で
実は10億のうち1くらい、物質の方が余ることがある。
10億のペアが消滅していくなかで
いつの間にか反物質が1つ足りなくなっている。
光から始まった宇宙は
こうして物質でできた今の世界になったという。
“対称性の破れ”というやつで
物質と反物質は、必ずしも1:1にはならないということ。
その差はおよそ10億分の1。
ポジティブとネガティブの感情の話に戻ると
ポジティブだけ、なんてことはあり得なくて
10億のネガティブと10億のポジティブがあって
やっと1つのポジティブが残る。
ネガティブがなければポジティブも生まれない。
ネガティブな気持ちになったら
まずそれがあることを認めて、
よく観察して、味わって、理解して
それからそれに合うポジティブをあてがって
それを10億回、20億回・・・と繰り返していくうちに
ポジティブが身についてくる。
宇宙の中では今でも反物質が生じることがある。
どんなときも、ネガティブが無いことなんてない。
なんて思えば、ネガティブもそう悪くないな、と。