【シンプルで美しい】

シンプルは美しい、ってよく言う。

私もそう思う。

シンプルは美しい。

 

この複雑で多様な世界が

シンプルな事象に還元できること。

 

複雑で目まぐるしく変化する変化する自然界の裏に

シンプルで不変の原理があること。

 

私が最初にこの事実に触れたのがいつだったのか

今では思い出せないけれど

 

科学が人の心をとらえて虜にする吸引力の源は

ここにあると思う。

 

 

その萌芽は

紀元前6世紀、ギリシャのターレス。

万物はひとつの根源物質からつくられている。

 

そして紀元前5世紀。

レウキッポスとデモクリトスによる原子論。

 

二十数個のアルファベットの組み合わせによって

悲劇や喜劇が作り出されるのと同じように

基本的な原子の結びつきによって

この多様な世界が生み出される。

 

 

古代ギリシャの賢人たちは

どのようにしてこの考えに到達したんだろう。

 

あまりにも豊かすぎる景色を見ながら

そこにシンプルな原理があると思うに至った道筋、

観察力と想像力。

 

鋭敏な知性。

その偉大さにただただひれ伏すしかない。

 

 

今では当たり前となっている原子の存在は

20世紀が始まるまで、受け入れられなかった。

 

人間は、

こうして長い時間をかけて世界の理解に挑んでいる。

宇宙からしたら一瞬でしかないけれど、

 

この世界は、シンプルで美しいということ。

 

書物によってそのバトンを渡してくれた

古代からのつながり。

 

 

「万物は原子からなる」

この一文に、改めて恍惚とする冬の朝。