【生命のふところ】

目に見える物は原子からできている。

 

 

生物も同じで

私たちの体も原子からできている。

 

 

原子は、絶えずランダムに運動している。

なんの意思ももたず、秩序に従わず、

完全にランダムに。

 

 

量子力学の巨人シュレディンガーは

「生命とは何か」と題した講演で

 

原子の大きさに対して

生物は、私たちの体は、なぜこんなに大きいのか?

 

という問いを立てている。

 

 

生命を構成する原子も例外なく

ランダムに運動しているはずだが

 

そこに生命としての秩序があるのは

 

おびただしい数の原子が運動することで

その「平均」として秩序が立ち上がるからだと。

 

 

平均から離れて

例外的なふるまいをする粒子は

全体数の平方根として見られる(統計学より)

 

100個の粒子があれば

ルート100=10個が平均から外れる。

10/100=10%の誤差率。

 

1億個の粒子があれば

ルート1億=1万個が平均から外れる。

1万/1億=0.01%の誤差率。

 

粒子の数が増えれば増えるほど

平均から外れる粒子の影響が小さくなって

秩序がしっかりする。

 

 

生命を構成する原子が多ければ多いほど

秩序がしっかりする。

 

だから、生物は原子に対して

圧倒的に大きい必要があるのだと。

 

シュレディンガーの慧眼にはもう

震えるばかり。

 

 

そしてそうだとするなら、

ここでもうひとつ感じるのは

生命のふところの深さ。

 

ランダムに動く原子を

統一しようと強制するのではなく

 

ランダムさを受け入れて

母数を大きくすることで対応する。

 

相手を受け入れて

システムで対応する。

 

エラーを許容できるシステムは

しなやかで強い。

 

 

生命のおおらかさ。